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 心象童話集 

 その 69 NHK行 99年6月13日

起床 夜に髭を伸ばし、朝に剃る。 俺は何を言っているんだ。
窓の向こうは外。 俺は何を言っているんだ。
道路は歩きづらい。    
走っている子が転んだ。  あの子は何をやっているんだ。
夕陽に頬を近づける、・・・・・・・・・・熱い。  俺は何をやっているんだ。
そうだ、夢を見ているのだ。 夢想しているのだ。
バスルームへ行ってシャワーを浴び、眼を醒ますか。
駄目だ、ベッドが水びたしになる。  俺は何を言っているんだ。
首を絞めて、苦しくなって眼を醒ますか。
校めすぎてそのまま死んじや困る。  俺は何を言っているんだ。
真夏の最大のクーラーは真冬か。 暑い。  このままじっとしていよう。
金。女。酒。友人。夢。仕事。栄光。挫折。ステージ。歓声。作曲。

作曲?
 男はハッと我にかえり、何もなかったかのように演奏を続ける。
そして、しみじみと呟く。 この歌が俺の作っただったら。・・・・・・

∞ その 82 NHK行 99年8月11日

とうもろこし畑で声かけた!
右折と左折はどう違う?
茶色のお髭のお口から ポロポロポロポロ
声にならずに ポロポロポロポロ
両手に一杯 ありがたい

焚火のお鍋は フーフーと
これまた声にならずに フーフーと
ゆるりとたらして うまさが違う
 ま  が違う

 二十年程前、水割りを飲みながらこんな詩を書いて、芽が出るのを待っていた。
何も知らなかったあの頃のウイスケ、旨かったなぁ。              草々

∞ その 95 NHK行 99年10月12日

前略 ここへきて私は一大決意をしなければならない。
細胞の一つ一つが浸食され汚染され続けている今、
一大ネットワークを広げて展望を見出そうという訳だ。
 ネットワークといえば苦労している一つだ。
カスタマイズがトラブルシューテングの互換性で相互作用を引き起こし、
ディスケドライブでブースカブースカいっているのはマジカルがマジコと言うが如し。
 日いずる朝から日いずる朝まで寝不足で、
日本語ツールがタスクバーから消えて特殊記号は何処へいったやら。
アメリカ国旗は既にウインドウズだ。
 それはそうとなぜかインストールしかしていないようで、
気分転換に永世名人V(将棋)に指が向く。
お手合わせしている間に文章入力でもしていれば、
今頃編集作業に取りかかれるものを・・・ちなみにレベル2で勝ったり負けたり。
 ところで本題に戻るが私はヤニ男君になってしまったので近々禁煙をするつもりだ。
苦しく辛い選択だがやむをえない、 そこで眩く。

 握り潰せるほどの箱の中から・・
涙が出るほどの煙と・・
火傷をするほどの火の玉と・・
すこし寄り道を誘う・・マジコボックス。                          草々

∞ その 100 NHK行 99年11月25日

どうしょう、どうしょう・・・どうしょう、どうしょう・・・。
     どうしましたか?
えっ、・・・べつに。
     お困りのようです、落し物のようです。
はぁ、
実は大事な右手袋を落としてしまって・・・。
     それはお困りでしょう、ではあなたから見た私の左手袋をあげましょう。
えっ・・・、でもいいです、わるいから。
     いいんですよ、受けとって下さい。
ありがとう・・・。
どうしょう、どうしょう、カラスがくわえて持ってっちゃいました。
     大丈夫ですよ、私の右手袋をあげましょう。
でもあなたの右手袋は僕の左手袋になっちゃいます、残念だけど。
     大丈夫ですよ、私が一回転するとね、 クルッ、ほらね。

             
   あ        

∞ その 143 NHK行 2000年7月24日

ピーマン
の日

先生 みんなピーマン食べてるかいー
生徒 嫌いー。食べてるー。みんな残してるー。
先生 いいよ、先生好きだから、みんなもっといでー。
生徒 僕、ピーマンよりパーマンが好き。それマンガだろ。
先生 パリパリポリポリ、ピーマン採らずにほっとくと赤ピーマンになるの、
    みんな知ってたかいー、パリパリポリポリ、もっとほっとくと先生が食べる事になる、
    あぁおいしぃ、パリパリポリポリ、パリパリポリポリ。
生徒 先生 おもしろーい。



生徒 先生お腹おさえてどうしたの?
先生 先生ピーマン食べ過ぎてピーピーです、自習してて。………
    ちょっと自習………、ちょっと自習………。

ピーマンの日

先生 先生ピーマン遠慮します。
生徒 先生可哀想だからピーマン食べてやる。私も。僕も。

教室を出て、先生ニコッと笑い呟く、うまさが違う。
◎教育とは何か、それはまずピーマンを好きになること。


その 219 NHK行 2001年9月9日

前略 ちょっと一息・ちょっとお知らせ。
 マイクロフォンに駆け上ったアリが、こうつぶやいた。
   ゜´`¨^''′″
 セミのお腹に入り込んだアリが、もがき始めたのを外から聴くと。
   ミーーーン・ミーーン・ミーン・ミ  ゜´`¨^  ミ  ゜´`¨^  ミ。
 子供の頃、トンボを捕まえていたら複眼のへこんだトンボを見つけた。
   見づらいだろうと治そうとしたら、もっとへこんでしまった。
   知らないふりして放してやった。
 鈴虫が鳴いているから、鈴をチリーンと鳴らした。
   リリリーン………。チリーン………。リリリーン………。チリーン………。
   チリーン………。………。………。気にしているらしい。
 ポケットでつまづいた指先の痛いのなんのって。
   今では考えられない事だけど、何故って子供の頃のポケットはメンコにビー玉、
   お菓子に十円玉、そして何故か、テストの答案用紙。
お知らせ 待ちくたびれた10000アクセスには、
  ちょっと笑える画像をその前後にトップにデカデカと載せます。
  どうせ猫だろうって?異性人の似顔絵かも。やっぱ猫かな。
お知らせ ヤフー掲示板のカテゴリ・音楽の、作詞、作曲のトピックに
  「作曲に対する音楽業界の姿勢、私の姿勢」で抗議文を紹介していますので、
  つぶやきでも感想でもカキコして下さい。 (※URLを入れるのを忘れて、
慌てて削除申請をしてしまい、もう少しお待ち下さい。
※13日夜、「音楽が音楽で在り続ける為には」で、載っています)     草々


その 224 NHK行 2001年10月10日
マッチ擦り人形 (1978年) ヤフー掲示板2001年9月28日日掲載

マッチ擦り人形を作って君にプレゼント
君は夜の静けさの中で一服 
そして眠る・・・・・

夜中に壊れたマッチ擦り人形は
ひとりでにマッチを擦り続け・・・・・

君は生死をさ迷い 
ネグリジェ一枚の文無しになり
僕のところに転り込んで来る

そして君は僕好き人形になって
長い年月を優しさで満たしてくれる

僕は充分心得ていて 僕は
君好き人形に なる

 その 264 NHK行 2002年7月11日
青空と夜空 (1978年) 
「いも姉ちゃん」・・・言ってしまった・・・
口も聞いてくれなくなった
悔しくてオシリに触ったら
嘘みたいに怒って 突き飛ばされた


豆りんごの木に登り
浄水場に石投げて
フランス人形の 空箱蹴って

夏だというのに汗一つかかずに

そうして石段の上に座っている
右足を伸ばして 猫の頭をなでながら

やっと出てきたお姉さんは
猫と右足をポーンと 飛び越えて
「いも姉ちゃんなんて もう言わない?」
と聞いてきた

胸元にはソロバン塾に行く道具

じーっとこちらを見ながら後ずさりしている

相変わらず猫を撫でていた

ゆるやかな坂道だったので
猫の頭を撫でながら見送ることができた

 その 498 NHK行 2007年1月6日
               (2007年) 
 そこはかとなく 春の吉例が高みから低きから 一礼の挨拶に至
今この時をもって 心の準備は お見合いの様相
蕾の一つ一つが名前を語る つつみなく滞りなく 桜待顔
あなたは幾つ? 私は一つ 薄紅に唇赤く 私は春を愛するものなり

いざ生きめやも     散りぬる    を     ん

  その 524 NHK行 2007年7月7日
お日様   一年一組 中島蘭子 (2007年)
 ある日、お日様が照っていました。
私は指をさし、心に留めました。
ずっと歩いてから振り向いても同じところにいます。
駆け出しても駆け出しても同じ空の上に居て、
私を見ています。

 お日様の影に隠れてから、そっと覗くと、
私を見ていました。
なんてお日様なの、だから心に留めたのに・・・
眩しいだけで何も答えてくれないくせに・・・

 学校のグランドで指をさし、心に留めました。
忘れていてごめんねと付け足して。
公園のブランコに乗って一番高く漕いだ時、
「あっ」
お日様がいました。
手を離したら危ないので、ほっておきました。
だって手を離したらダメッて言われてるんだもん。

 ポケットの中にはもう一つポケットがあって・・・
「10円玉・・・お日様にあげるーっ」
「あっ」
「お日様が10円玉に隠れたーっ」
   その 550 NHK行 2008年1月5日
苔生しの記録    (2008年)


 夜に寝床で素晴らしい物語を思いついた。
それは大長編になりそうな構想であり、
その夜はぐっすりと眠ってしまった。
 朝に目が覚めて、すっかり忘れているのに気づいた。
しまったーっ、書き留めて安心して眠れば良かった・・・
というところで目が覚めた。

 その夜は何かくやしくて寝付けない。
仕方がない、夢の中で思いついて、
今度こそ書き留めておこうと眠った。
 夢の中で見事に書き留めたが、
目が覚めてさっそく探したが見つからない。
なんて事だ、それはもっともな事だ。

 その夜も何かくやしくて寝付けない。
夢の中で何とか策を練らねばと眠りに付いた。
 策を練っただけあって、それを達成した・・・。
というところで目が覚めた。
であるからどう達成したのか覚えていない。

 その夜も何かくやしくて寝付けない。
しかし一計を案じた事が妙に安心となり眠りを誘った。
一計を案じただけあって、それは達成感のあるものだった。
夢の中で私はひたすら同じ文面を書き綴っているのだった。
これならば目が覚めても思い出すであろう。

 案の定、私は夢から覚めても思い出す事が出来たのである。
出だしはこうである・・・

 夜に寝床で素晴らしい物語を思いついた。
それは大長編になりそうな構想であり、
その夜はぐっすりと眠ってしまった。
 朝に目が覚めて、すっかり忘れているのに気づいた。
しまったーっ、書き留めて安心して眠れば良かった・・・
というところで目が覚めた。

 その夜は何かくやしくて寝付けない。
仕方がない、夢の中で思いついて、
今度こそ書き留めておこうと眠った。
 夢の中で見事に書き留めたが、
目が覚めてさっそく探したが見つからない。
なんて事だ、それはもっともな事だ。

 その夜も何かくやしくて寝付けない。
夢の中で何とか策を練らねばと眠りに付いた。
 策を練っただけあって、それを達成した・・・。
というところで目が覚めた。
であるからどう達成したのか覚えていない。

 その夜も何かくやしくて寝付けない。
しかし一計を案じた事が妙に安心となり眠りを誘った。
一計を案じただけあって、それは達成感のあるものだった。
夢の中で私はひたすら同じ文面を書き綴っているのだった。
これならば目が覚めても思い出すであろう。

 案の定、私は夢から覚めても思い出す事が出来たのである。
出だしはこうである・・・ 夜に寝床で素晴らしい・・・

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